〔マレ地区の見学〕
ヴォージュ広場 (Place des Vosges) を中心としてマレ地区の見学。le Marais はパリのセーヌ河北岸、ほぼ現在の3区と4区に当たる地区で14世紀後半フランス王 Charles V がここに王宮を構えて以来、17世紀まで高級住宅地として栄えた市街で歴史的にも芸術的にも興味ある一郭を成しています。マレ Marais はフランス語で沼地の意味
四方を赤レンガの建物で囲まれた広場。一見中庭風なのは、もともとアンリ四世によって建てられた王宮の庭だからです。現在、広場の中にはベンチや椅子が置かれています。最大の建物は南面ファサード中央にある王の館 (Pavillon du Roi) でそれと対をなすのが北ファサードの王妃の館 (Pavillon de la Reina) です。両方とも装飾はきわめて簡素です。
この館は1625年におそらくジャン・アンドルエ・デュ・セルソーの手で建築が始められ、1634年にアンリ四世の元蔵相で当事75歳だったシュリー公のものとなりました。館の中には切り妻壁の装飾、彫刻を施された天窓、四大と四季を表わす像などを含み、全体としてルイ13世様式建築です。
この館はアンリ二世の準嫡子ディヤーヌ・ド・フランスのために1585年頃に建てられ、ダングレーム館と呼ばれました。現在の館の主である高等法院長ラモワニョンがここに移り住んだのは1658年で、彼はここにラシーヌ、セヴィニェ候夫人、ブレダルー、ポワローといった文人を客として迎えました。ポワローが風刺詩 「譜面台 Lutrin 」を書いたのは、ラモワニョンの挑発に乗ったからです。ルイ16世の弁護に立ったラモワニョン・ド・マルゼルブはここで生まれ、アルフォンス・ドーデもここに住んだ事があります。